つづき①(日本人からの相談)

 

会社の担当者は清掃作業員三人全員に、「あなた達の仕事を確保するために入札したんだけど、前回より額が減ってしまったので、皆で少しずつ労働時間を減らして乗り切りましょう」と言ったのでAさんも、一旦は納得して契約書にサインしたそうです。 

ところが、翌月のシフト表をみたら労働時間が減少したのはAさんだけでした。スタッフの労働時間を減らさなくてはならないほどの契約金額の減少とはどの程度のものだろうかと、その市のホームページを見たところ、掲載されていた金額は、前回の契約額より月額わずか千百円の減でした。この額は、前回の入札額と比べても、0.2%の差もありません。これをもとに市に情報公開を請求し、契約書を入手することが出来ました。契約書には再委託の原則禁止とともに、再委託する場合の発注者との協議を義務づけています。Aさんは受託会社とは別の会社に雇用されており、その会社は労働者派遣法の許可も取っていないため、再委託の協議もないとすれば、違法派遣の疑いが出てきました。この案件は、今、神奈川県労働委員会にユニオン側が提訴し会社側が非を認め和解となりました。 

つつき②(省庁交渉)

 

「解体工事現場等でと石綿(アスベスト)の除去作業を技能実習生にさせているが、禁止すべき」と主張するユニオンに対し、厚生労働省の担当者は「福島の除染作業は故国に帰っても同様の仕事がないから禁止したが、石綿作業は諸外国では仕事がある」と胸を張りました。ユニオン側は、「吹付石綿を使っているのは日本くらいのもの」と主張しました。長年の運動で日本人の石綿作業による労災事案は医療機関につながる制度ができています。「三年から五年で帰国する技能実習生は石綿作業で被災しても医療機関につながることはない」と指摘し、今後の改善議論に繋げました。
 日本の外国人労働政策はいつも場当たり的です。1990年代は労働力不足のためラテンアメリカから日系人の帰国を促し40万人の方が日本で働きに来ました。ところがリーマンショックで景気が冷え込むと帰国促進事業を行い10万人を帰国させました。今日本で働く日系人は二世、三世の時代となっています。そうした方の多くが「永住権」や「定住権」を手にしていますが、政府は社会保険や税金を滞納している人の権利をはく奪しようとしています。( 2024年の入管法の改悪で法律が通過してしまいました。)
真の共生社会を実現するため、外国人労働者を景気の調整弁としてしか考えない労働政策は即刻見直すべきです。